人事の超プロが明かす評価基準「できる人」と認められる人はどこが違うのか

会社員であれば切っては切れない関係の人事評価

自身が人事から評価されるとき、

何を見られているのか、

また、今後どのような能力を身に着けていかないとならないかを、

人事の目線から解説してくれている書籍です。

 

いま、自分がどのステージにいるのか、

また目指す先に必要だといわれるコンピテンシーは何かを、

把握したい人におすすめしたい。

 

 

 

 

 

 

なぜあの人は「評価されるのか」「されないのか」

とある調査によると、世の中の会社員の7割は、

不明確な人事評価基準に不満を感じているようです。

 

その原因としては、3つあります

  • 上司などによる主観的評価で客観性が感じられない
  • そもそも評価基準自体が不明瞭、評価する人次第
  • 何をしたら評価されるかがわからない

 

各会社によって、評価の仕組みがブレているかもしれないが、

社員に求めていることは、大企業だろうとベンチャーだろうと根底は同じなんです。

人事用語のコンピテンシーが共通するものであるが、

「成果につながる行動」や「活躍する人に特徴的な行動や考え方」の意味である。

 

人事評価は、各人の良い点、足りない点を明らかにし、

成長を促すための制度で、そもそも相手を「褒める」ためにある。

 

部下を持つ立場になったら、人を成長させることが主な仕事となる。

部下のキャリアビジョンや人生設計に関心を持てない上司は、

上司としての評価を得られない。

 

また、部下の立場としては、上司をマネジメントし、

うまく話し合って認識合わせをするのが仕事ができる人といえる。

 

「人が大きく成長する制度」

相対評価は、評価される側の立場に沿った評価制度ではない。

目標を達成しているにもかかわらず、

人数比のせいでバランスをとるための不当な評価が生まれ、

モチベーションの低下につながるのである。

(読者も多くの人が経験済みだと思うが。)

 

そもそも、会社の人事制度はとてもシンプルな仕組みでできている。

「等級制度」「評価制度」「給与制度」の3つ

 

それぞれの役割は以下だ。

等級制度=会社が社員に求めるものを明示すること

評価制度=会社が求めていることと社員のギャップを確認する

給与制度=給与・賞与に結びつける

 

何が評価を決めるのか?

社員の評価、そのすべてを決めるのは「影響力」と言っても過言ではない。

 

相手への影響力があれば会社から評価され、

影響力が無い人は評価されず昇進もできない。

 

自分が出来る価値提供を増やしていくことが、

自分の評価を高めていくことに重要

 

仕事をすすめていくことそれだけではなく、

社会を生き抜く一人の人間として生きていくためにも、

「影響力」を発揮できるかできないかは大きな違いになってくる。

 

影響力を高めるためのポイント

  • 社内外の人的ネットワークの構築

キャリアを重ねるごとに、社内外の多くの人を巻き込んでいく力は重要度を増す。

人間関係を深め、その人を動かす方法論を持っていると自身の影響力も大きくなる。

勿論、名刺交換をたくさんすればよいという話ではない。

 

  • 「パートナー」「先生」になる

「業者」、「パートナー」、「先生」という役割が存在する。

 

「業者」は、クライアントが問題の解決方法もニーズも自覚している場合に必要とされる

「パートナー」は、クライアントが問題点は分かっているが解決方法が分からないときに必要とされる

「先生」は、クライアントが何が問題なんかさえわかっていない状況に必要とされる

 

必要な時、必要なポイントだけ声がかかる業者ではなく、

パートナー、先生を目指していくことで影響力を高める。

 

  • 「あなたの頼みなら」と言われる存在になる

大事なことは、相手とできるだけ深い関係を築くこと。

「〇〇さんに言われたら仕方ない」「〇〇さんのためにやってあげよう」

と思われるような関係を作ることが重要

 

絶対的、評価基準「45のコンピテンシー

それぞれの役職で、必要なコンピテンシーが異なるので、

自分に合った内容を確認していただきたい。

新人

誠実な対応:長く付き合える人間か、育てるに値する人間か

ルール順守:ビジネスパートいなーとして信用を得る最初の一歩

マナー意識:いい人間関係を構築していく基礎があるか

チームワーク:チームで仕事をするための基本

共感力:人の気持ちを察する力は顧客ニーズを感じる力

伝達力:報告・連絡・相談のすべてが基礎となる

一人前

継続力:プロジェクト成功のための必要不可欠な素質

創造的態度(意欲):新しいことを受け入れて挑戦しているか

情報収集:的確な判断をするには、広く情報収集するのが大事

成長意欲・学習意欲:常に進化し続けられる人間を目指す

状況把握・自己客観視:機を見て適切な行動をとれるか

企画提案力:より効果的に企画を提案できるか

クオリティ:日々の品質向上を目指す姿勢が大事故を防ぐ

主体的な行動:自ら考えて、動きを作る

タフさ:ハードワークをやり遂げる心身の強さを持つ

ストレスコントロール:最悪の状況を乗り切る底力を身に着ける

 

チーフ

柔軟な対応:想定外のことは機転を利かせて対処する

カスタマー:顧客が真に求めるサービスを、顧客の立場で理解する

 スペシャリティ:専門知識があるか

異文化コミュニケーション:価値観が異なる人とも仕事ができるか

プレゼンテーション:多くの人から、理解と共感を得られる伝え方

動機づけ:チームをやる気にさせる技量を持つ

創造的能力:新しいアイデアを発案し、具現化する

目標達成:何があってもプロジェクトの目標達成をする

問題分析:力を注ぐべきポイントを見出す課題発掘

改善:業務の無駄をなくし効率化を図る

 

課長

傾聴力:自分よりう経験のない部下の話を最後まで聞く

プロフィット:コスト意識を持ち、常に採算を意識する

計画立案:実現可能な行動計画を立てリスクヘッジする

進捗管理ベンチマークを設け、進捗管理する

計数管理:自社の収益構造を把握し、業績を上げる適切な施策をする

人材育成:部下のキャリアビジョンを把握し、能力開発支援をする

解決案の提示:問題に対する適切な複数の解決案を導き出す

 

部長

目標設定:会社のビジョンや戦略に沿った年度目標を設定する

人的ネットワーキング:社内外のキーパーソンを把握し影響力を得る

人材発掘・活用:社内外から優れた人材を発掘し登用する

理念浸透:経営理念の浸透をメンバーに働きかける

戦略設定:ビジョン実現に向けて具体的な戦略を示す

変革力:伝統や慣習に縛られずに斬新な取り組みをする

説得力:相手から同意を取り付ける交渉スキルを持つ

役員

ビジョン策定:会社の3年5年後の姿を具体的に示す

組織運営:高野支店で組織内の問題解決策を提示している

業務委任:部下に仕事を任せ、より大局的な仕事をする

決断力:材料がそろわなくても決断し、その責任を負う覚悟を持つ

新ねん:目上の人から反対されても信念を事項する強さを持つ

評価ポイントは年齢によっても変化する

20代は明るく元気ですなおであるべき。吸収力があり成長性がある事

20代後半は主体性を持つ。「どうしましょうか?」は禁句

30代は周りを巻き込む力が大事。周りを巻き込んで目標達成することが評価される

30代は当たり前のようにタスクの分類法が使えること。

(重要度高い・低い、緊急度高い・低いの4つのマトリクス)

40代以上は戦略が必須。備わらなければ、出向、希望退職が見えてくる。

トライアンドエラーで経験をつけていくしかない

部長クラスは、戦略に加えて決断力が必要。責任を取る覚悟。

これから待ち受ける「4つの選択肢」

大きく4つの道がある。

自分が目指したい方向を改めて考え、取得すべきコンピタンスを理解する。

 

  • オペレーター

誰がやっても同じ結果を求められる仕事。働いた時間の分給与が支払われる

 

  • オペレーションマネージャー

オペレーターの取りまとめ管理職。決められたことを組織的に遂行するのが業務

 

特定の領域で高い付加価値を提供することが求められる。士業、クリエイターなど。

ただし、専門技術が陳腐化すると市場価値が低くなる。

 

  • コア

 部長、役員が該当。業務時間に関係なく、価値創造が出来れば評価されるが、

それ相応の責任を負うリスクもある。