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地域活性マーケティング

 2008年から制度が始まり、

2015年から手続きが簡単なワンストップ制度導入で、

いまでは多くの人が活用しているふるさと納税

 

 

一時期は、返礼品の還元率や、

ギフトカードなど、返礼品としてあるべき姿などが

2019年には大きな議論となった。

泉佐野市の事例は記憶に新しい)

 

もともとの目的の一つであった、

地域のPR、名産品のPRはうまくいっているのか。

 

レビュアーが毎年ふるさと納税をする限りでは、

うまくいっていないのではと感じざるを得ない。

 

 

では、ふるさと納税を通して、

どうやって地域のブランディング

マーケティングをしていけば成功できるのか。

当書を読むことで、ヒントを得たいと思う。

 

 

もし地方創生など、

思い入れのある地域に、

何か貢献できないかと考えている方がいれば、

この書籍は十分に役立つ情報、分析データが含まれているので、

是非とも目を通していただきたい。

 

 

地域活性マーケティング (ちくま新書)

地域活性マーケティング (ちくま新書)

  • 作者:岩永 洋平
  • 発売日: 2020/02/06
  • メディア: 新書
 

 

 

はじめに、当書籍では、

独自の調査結果や、分析を通し、

寄付金と自治体の寄付金の使い道に関する、

構造上の重要な問題提起もなされている。

 

しかしあくまで、この要約では、

「地域のブランディングという視点で纏めさせていただくことを

あらかじめご了承いただきたい。

 

 

目次

 

ふるさと納税の仕組み

年末になると、各広告会社が盛大にPRしているため、

ふるさと納税が何なのかを事細かには解説しない。

最低限の基本だけ押さえておこう。

 

 

ふるさと納税は、住民税の控除となる。

例えば、ある一定の住民税を支払っている人が、

そのうち、3万円分のふるさと納税をしたとき、

2000円を引いた2万8000円が還ってくる。

 

これだけであれば、単純にマイナスに見えるが、

寄付先の自治体からは「返礼品」というかたちで、

地域の特産品等が送られてくる。

 

2021年現在では、だいたい寄付金額の

30%相当の返礼品を受け取るので、およそ9000円。

寄付者にとっては、差額7000円分がお得になるという図式である。

 

 

なお、ふるさと納税関連のサイトをみると、

食品系が代表的で、肉、海産物、お米あたりに

人気が集中するイメージが強い。

 

ふるさと納税利用者の意識

ふるさと納税を利用する人の目的、動機は何なのか。

調査結果では、以下3つが大きな目的、理由だと見えてきた。

「返礼品目的」、「節税目的」、「返礼品の還元率」

 

広告やCMの打ち出し方の通りで、

上位がこの3つに来てるのはごく自然に感じられる。

 

その一方、

「地域の応援のため」、「寄付先地域の応援」といった理由も、上位を占め、

経済的メリットという目的だけでなく、

地域への貢献というエモーショナルな目的も混在している。

 

 

しかし、調査結果から先に言うと、

ふるさと納税利用者が、返礼品と節税効果に満足していても、

「寄付先をもっと支援したい」といった、

「ふるさと意識の向上」には影響があるとは言えない結果になった。

 

つまり、

ふるさと意識が高い人は、もともとふるさと意識が高く 、

ふるさと納税制度の影響で、意識が高まったわけではないということだ。

 

地域マーケティングのターゲット層

ふるさと納税を通し、誰に対して、地域の魅力を訴求すべきか。

都市が財政的に地方を支えるべきだといったような、

地方援助志向の消費者を主なターゲットに選ぶ必要がある。

より具体的にイメージするためペルソナを描くことも重要だ。

 

なお、ペルソナとは具体的な顧客像であり、

名前、年齢、性別、生活水準、性格など、

まるで実在する人物であるかのようなレベルまで描いたものを指す。

 

では、ターゲット層もしくはペルソナに、

何を訴えかけていけばよいか。

 

ここで、重要なことに触れておきたいが、

具体的な地域産品をブランディングすることで、

地域の認知度、地域のブランド価値が上がると調査で分かっている。

 

つまり、地域産品にマーケティング投資することが、

結果として、地域のブランディングに繋がってくる

理解しなければならない。

 

ターゲット顧客との持続的関係の構築

地域産品を打ち出していくべきという話は前述のとおりであるが、

顧客との1回きりの付き合いでは、ブランド醸成が出来ない。

 

より多くの人に、リピーターになってもらうことが

何よりも重要と考えねばならない。

 

必要なマーケティングコストも、

初回顧客の獲得コストと、継続顧客へのコストだと、

継続顧客に対するほうが、五分の一以下のコストで済むとも言われている。

 

 

では、どうやってリピート顧客になってもらえばよいのか。

 

「リレーションシップ・マーケティングが注目されている。

売り手と買い手が持続的な関係を構築し、

両者の相互作用が発生しているということである。

 

 

消費者は単に購入するだけではなく、

自身の意思で情報収集し、口コミなどの情報発信も行うような、

企業との相互関係を構築する相手だということだ。

 

 

消費者と企業とのリレーションの例でいうと、

先日レビューした、ヤッホーブルーイングの例が分かりやすい。

 

消費者と企業の理想的な関係像の、

答えの一つがヤッホーブルーイングにはあった。

 

biz-book-review.hatenablog.com

 

ふるさと納税を通した関係性の構築

ふるさと納税をしたことがあれば、イメージがつくと思うが、

地域からは、いかにも事務的なお礼状やパンフレットが送られてくるだろう。

 

しかし、返礼品を提供してくれている地域産品の事業者からは

リレーションを構築しようというDMが届くことは稀である。

 

返礼品自体は必ず、開封率が100%になる。

また、その後の地域からのお礼状、パンフレットも

高い開封率であることは想像に難しくない。

 

ふるさと納税という、消費者側からのアクションに対し、

お礼状や、パンフなどにて、

丁寧な商品説明、地域の紹介など、

より強い関係性を構築できるような施策を実施すべきである。

 

事務的な内容ではなく、

寄付者ひとり一人へ個別対応しているくらいの内容でなければ、

消費者からは、「自治体からの事務的な対応」として

受け取ってしまうであろう。

 

また、寄付者に、

「次にどのようなアクションを起こしてほしいか」

明確に伝えなければ、

たとえ寄付者側が関係構築したいと思っていても、

何をしてよいのかわからず、関係が途絶えてしまう。

 

 

例えば、ファンサイトがあるので登録してほしい、

Facebookページをフォローしてほしい、

インスタグラムをフォローしてほしい、

メルマガに登録してほしい等でも構わない。

 

 

ただし、その後の関係構築・強化のためのアクションであり、

いわゆる自治体的な、お役所的な考えで、

「とりあえず、フォロワー1000人を目指す」等だと

まったく意味がないことは言うまでもない。

 

メルマガ送らせてほしい、

さらに言えば、有料の会員になってほしい等も考えられる。

 

ここまで書くと、

「図々しいお願いをしてしまうと苦情になるのでは」と思われがちだが、

意向にマッチしない消費者は、そのままスルーするので、

意外と問題にはならない。

 

どちらかといえば、

ふるさと納税のための膨大な広告予算を投入し、

ようやく手に入れた見込み顧客との

せっかくの関係構築の機会を、

無意味に損失してしまうことのほうが断然勿体ない。

 

 

まとめ

ふるさと納税での返礼品を契機に、

地方援助志向なターゲット顧客をリレーション構築することが重要。

 

消費者、地元企業との相互関係を構築し、

地域産品のリピート購入を増やしていくことで、

結果として、地域自体の認知度やブランディングに繋がってくる。

 

関係構築の第一歩として、

返礼品送付におけるお礼状、ダイレクトメールを有効活用すべき。

 

寄付者に対するお礼状やダイレクトメールでは、

ひとり一人を意識した、感情に訴えるものであるべきで、

また、受け取った寄付者が、次にどのようなアクションを取るべきかが

明確に依頼されている必要がある。

 

さらにリレーションを深めていく施策を打ち続け、

より一層、地域にコミットメントしてくれる顧客を増やすことが、

地域活性マーケティングの要諦である。