10年後、後悔しないための自分の道の選び方

 慶応義塾大学で長年キャリア相談をしてきた

著者のボブ・トビン氏

 

彼のいままでの経験から、

社会人になったほとんどの人は

ある種の重要な疑問をもち、

そのための、重要なスキルを身に着ける必要があるという。

 

本書を通しながら、

そのスキルとは何かに理解を深めていきたい。

 

20代30代の社会人は、

同じような課題に直面しているであろう。

 

自分の進むべき道に悩んでいる人には、

是非立ち止まって読んでいただきたい内容であった。

 

 

 

 

 

 

自分の働き方に疑問を持っているとき、

それはむしろ喜ぶべきで、

自分に合った働き方に近づこうとしている。

 

働き方に疑問をもったタイミングで

自分の信念やスキル、人生への希望を見直してみる

 

この書籍をとおして、

答えるべき自身への問いは

「自分の望む働き方とは何か」である。

それがすべての出発点として考えるべきものである。

 

 

大事なのは決断すること

たいてい、大学を卒業してすぐに、

自分のやりたい本当の仕事が見つかることはなく、

人生経験や実務経験を重ねていったうえで見つかってくるものだ。

 

様々な決断を通し、自分の道が見つかっていく。

 

そのため、人生の中で最も愚かなのは、

「決断しないこと」である。

 

そして、決断するのであれば、

出来るだけ早く決断するのが良い。

 

決断できないのはストレスの原因になるうえ、

「意思決定の弱い人」というレッテルにもなりうる。

 

大事なのは決断するスキルを身に着けること、

決断する習慣を身に着けることである。

 

選択肢を検討したら、思い切って決めてしまうこと

決めずに優柔不断にしている状態よりも、

良い結果になると理解するべきである。

 

 

何か大事な決断するのに、

早すぎる、若すぎるということはない。

 

自分の人生に役に立たないことに

時間を費やすことほど無駄なことはない。

 

自分に自信を持つこと

自信は伝染する。

自信のある人、自信を与えてくれる人と付き合うべきである。

 

では、自信とは何か。

自信とは「必ずうまくいく」という感覚や信念である。

 

手っ取り早く、自信を身に着ける方法は、

一番得意なことに取り組むことである。

仕事での成功体験を積み重ねれば、自信がついてくる。

 

「そういう成功体験がないから困っている」という人もいるだろう。

 

その場合は、

自分に自信があるかのように振る舞うことで、

自信を身に着けることが出来る。

「ふり」をするだけで構わない。

 

信じられないかもしれないが、

自信のある人の歩き方、速度、

姿勢や話し方を真似してみれば、

自分に自信がついてくることを体験するべき。

 

自分を応援してくれる人を見つけることも、

自信を身に着けるには重要だ。

 

相手に褒められれば、

謙遜せず、素直に感謝する。

 

ときに、自分を攻撃してきたり、

不当な扱いをしようとする人がいる。

 

そういった相手には、

「おっしゃることが分かりません」等、

聞き返してみるのも有効だ。

 

たいていの場合は、

その否定的なコメントはあなたのことではなく、

彼ら自身を物語っている場合が多い。

勿論、たんに聞き流してしまったほうが良い場面もある。

 

 

勇気を持つということ

自分が望むキャリアや人生を築くためには、

勇気が欠かせない。

勇気とは、「不安があっても行動を起こすこと」である。

勇気はありとあらゆる場面で関わってくる。

 

不安になる理由が分かれば、

気持ち的には少し楽になるが、

それよりも大事なことは、

まずは小さな一歩でも踏み出すことである。

 

 

人生にとって大事な習慣は学ぶ習慣

大事なのは新しいことを学ぶ機会を得ることである。

 

学びが止まれば、倦怠感、停滞に陥る。

学ぶことで、人生に熱意をもって打ち込み続けることが出来る。

 

時には初対面の人と会い、

新鮮な学びを得られるよう努めるもの重要だ。

 

もちろん、仕事面でもコーチを雇うという考えもあるだろう。

 

自分の価値観や方向性にあうようなコーチ、指導者から

学ぶことで、自分の成長が加速する。

 

MBAをとるという考えも、もしかしたらあるだろう。

そこで気を付けるべきことは、

そもそもMBAを取る意味があるのかどうかである。

MBAを取る理由をしっかりと理解したうえで臨むことである。

 

もし、明確な理由があって、

MBAや大学院に進むことを決めたのであれば、

大学のネームバリューも大事になってくることを意識する。

 

自分の今の能力から、”背伸びした”挑戦を選ぶことは、

非常に価値のあることだと理解し、挑戦していくべき。

 

組織の中で自分の価値を高める「付加価値」

自分のキャリアには、決断力や自信、勇気、

学ぶ姿勢が大事であると述べてきた。

 

その一方、会社に属する個人という視点では、

組織に対して「付加価値」を発揮することが求められている。

 

付加価値を出すことで、

組織の中での、自分の価値が上がっていく。

 

組織内で、付加価値を発揮した結果、

収入、学び、スキル、人脈を得られる。

 

付加価値を発揮するには、

自分がやりたいこと、やりたくないことはあるだろうが

「そこで、付加価値が発揮できるか、できないか」を優先する必要があり、

自分が出来る、役に立てるところで付加価値を発揮することが重要

 

組織のなかで働く以上、

妥協点や落としどころを見つけることも時には大事である。

 

また、健康であるよう自身を保つのは、

どんなに役職の低いものであろうと、

当然に認められた唯一無二の権限である。

自身の命以上に優先すべきものはない。

 

悪目立ちせずに、影響力のある人と親しくなることで、

ひとりでは成し遂げられない付加価値を発揮できる場合がある。

 

さらに、「昇進」というキーワードを気にするのであれば、

上司が持つスキルを自分が身に着けること、

また、上司との関係強化に力を入れることも重要である。

 

この章では、

あくまで組織の中での生き方について述べている。

 

何よりも最優先することは幸せであること

自分の将来は自分の意志で変えられる。

 

幸せは偶然ではない。

自分の努力で迎え入れるものである。

「幸せでいよう」と心に決めることで、幸せになることができる。

具体的な行動としては、

10個のマニフェストを守ることをお勧めしている。

  1. ひとりの時間を持つこと
  2. 最高の人たちと付き合うこと
  3. 気にしすぎないこと
  4. 人に親切にすること
  5. あきれるほどポジティブでいること
  6. 人の行動に判断を下さずただただ相手の話を聞くこと
  7. 好きな仕事をすること
  8. 自分の問題を他人に背負わせないこと
  9. 喜びや幸せを優先すること
  10. 笑顔を絶やさないこと

 

どれも難しいことではない。

幸せになるのは、自分の心の持ちようで、

意外と簡単だということを、

頭ではなく、心で理解することが大事なのかもしれない。

 

自分の世界を広げること

自分の人生が順調だったとしても、

そのなかに閉じこもっていても成長はない。

 

新しい知見、視座を手に入れるために、

居心地の良い場所から離れることは重要だ。

 

同じ輪の中で生活し、

コミュニケーションしていると、

考え方も偏ってしまう。

 

時には逆境に身を投じ、

そこから何か新しいことを学べばよい。

 

職場で経験する失意や逆境は、

たんなる人事フィードバックよりもよっぽど、

自分の人生の中で大事なフィードバックとなる。

 

責任を背負うことで、本当の自分に近づいていく。

 

 

 

最後に

自分のキャリアや人生にて

方向転換することに遅すぎるということはない。

 

自分のキャリアに、自分自身で責任を負う覚悟を持てば、

エスカレーターのように動いているキャリアから

いつでも降りることが可能なのである。

 

働き方や働く場所、仕事への取り組み方を変えることもできれば、

すべてを最初からやり直すことすら可能だということを心得る。

 

「変化を起こす」ということは、

仕事でも趣味でも「自分らしさ」を大事にすることにつながるのである。