コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

マーケティングを目指すものは、

コトラーの理論をおさえておくべきである。

 

実際の現場で活用されているのは、

マーケティング2.0までの世界が多い。

 

既に世界はマーケティング5.0に近づいているが、

まずは3.0にてどのように語られているかを押さえておきたい。

 

 

 

 

 

目次

 

マーケティング2.0までの世界

まずは2.0までを振り返ろう。

 

工業化時代、

つまり製品中心の時代は、

モノを作れば売れるという時代であった。

 

金太郎飴のように、

より多くの市場へ、

よりコストを低く提供することで、

多くの消費者に買ってもらうというマーケティングの時代であった。

ここまでがマーケティング1.0の世界 

 

製品中心から、情報中心社会となり、

類似製品を簡単に比較できる時代になった。

消費者に製品を選んでもらうため、

どのように消費者にリーチしていくかが重要となっていった。

STP戦略や、4P戦略が代表的な考え方である。

ようやくマーケティング2.0になった 

 

2010年時点で、

当書籍は発刊しており、

既にマーケティング3.0時代が到来している。

 

マーケティング3.0では2.0と比べ、

より一層、消費者個人に焦点を当てている。

 

2.0はあくまでも、

4P戦略(Product、Price、Place、Promotion)に分かる通り、

マス・マーケティングを実現するためのフレームワークだった。

 

マーケティング3.0の構成要素

3つの構成要素からなる。

・協働マーケティング

もはや、製品、サービスは企業のものではなく、

消費者のものになっている。

ブランド価値の維持に消費者も参加させ、

ともに形作っていくことが必要となってくる。

 

・文化マーケティング

優れた製品、サービスのブランドは、

文化的課題、社会的課題を解決できる力があると信じられている。

企業はブランドの力を借りて、

文化的な課題を解決する姿勢が求められている。

 

 

・スピリチュアルマーケティング

当初では、「精神」と訳されているが、

「信念」と言い換えたほうがしっくりくる。

消費者は、ニーズを満たす製品、サービスだけでなく、

自分たちを感動させる経験やビジネスモデルを求めている。

 

その感動は消費者たちの価値観や信念に対し、

感動を与えるものである。

 

企業はミッションやビジョンを

自分たちのビジネスモデルに

組込んでいなければならない

 

いまでは、消費者も社員も、

マーケターでありインフルエンサーである。

 

それゆえに、企業のミッションや、

ビジョン・価値をビジネスモテルに組込みながら、

消費者たちとコミュニケーションを取ることが重要になってくるのだ。

 

各関係者に対するマーケティング

消費者に対しては

企業は変化することをミッションに掲げること

 

感動的なストーリーを掲げ、

ミッションを消費者とともに達成していくのだという取組。

消費者と一緒にブランドを作り上げていくのだという姿勢が重要

 

自社社員に対しては、

より一層、企業の中身が見える相手の為、

嘘偽りのない姿勢が重要となる。

 

チャネルパートナーに対しては、

利益貢献度や在庫回転率

協働マーケティングやプロモーションによって、

最後の売渡しまでを深い関心とプロセスを管理する姿勢を見せる必要がある。

(ほったらかしにしないということ)

 

経営貢献度や、販売協力だけでなく、

チャネルパートナー自身の全般的な印象や満足度に関心を持って、

理解する姿勢が重要となってくる。

 

いずれチャネル間での分業が行われるようになってくるので、

チャネル同士については競争から協働に代わってくる。

それが統合型マルチチャネルの段階である。

 

似通った目的とアイデンティティを持ち、

似通った価値観を持つチャネルパートナーを見つけることからすべてが始まる。

 

株主に対しては、

企業の持続可能性が競争優位性を高め、

結果として、株主価値が高まることを示す必要がある。

 

企業がミッション、ビジョンを持った経営を続けることで、

コスト生産性が向上し、大きな売り上げ増大につながり、

企業ブランド価値が高まる

 

 

 

成熟しつつある市場でのマーケティング

成長段階を超え、

飽和状態に近づいている市場では、

企業に求められることは、

「社会的問題に取り組むこと」である。

 

一部の企業は

慈善活動など、社会問題に変化をもたらすようなマーケティング

実行することで自社の強みを創出しようとしている。

 

 具体的なステップとしては以下の3つとなる

社会文化的課題の特定

現在の課題を特定し、将来起こりうる課題を予想。

SDGsのテーマを参考にするのが良いと思われる。

 

ターゲット構成集団を選ぶ

ただちにインパクトを与えるには、

中流階級や女性、シニアをターゲットに選ぶ

未来のインパクトのためには、子ども・若者もターゲットとする

 

変化を生み出す解決策を提供する

ターゲットに、マズローのピラミッドを登らせ、

行動を変化させるような解決策を提供する。

より協働的、文化的、創造的な変化を目指していく

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さいごに

マーケティング3.0を実現していくためには、

10の原則を守る必要があるという。

具体的な行動指針として紹介したい。

 

  1. 顧客を愛し、競争相手を敬う
  2. 変化を敏感にとらえ、積極的な変化を
  3. 評判を守り、何者であるかを明確に
  4. 製品から最も便益を得られる顧客を狙う
  5. 手ごろなパッケージの製品を公正価格で提供する
  6. 自社製品をいつでも入手できるようにする
  7. 顧客を獲得し、つなぎ止め、成長させる
  8. 事業はすべて「サービス業」である
  9. QCDのビジネス・プロセス改善を
  10. 情報を集め、知恵を使って最終決定を