ハーバード・ビジネス・レビュー2021年6月号①(マーケティング)

 

今回のHBRのテーマは「変わる営業」であるが、

マーケティングの記事が

興味深かったので個別で紹介したい。

 

マーケティングが提供する価値を、

6つの領域に分類し、

その領域の中で、どのような強みを伸ばしていくべきかを

キレイに整理している。

 

なお、6つの価値領域に対し、

自社の状況をスコアリングするには、

マーキャップスのサイトにて、

Webテストすると結果が分かるので、

参考にしてほしい。

【マーキャップス(リンク先 英文)】

https://www.marcaps.com/research-2/

 

 

顧客に対するマーケティングの価値か、

企業に対するマーケティングの価値かによって 、

3種類ずつに分かれている。

前半3つが顧客向け、後半3つが自社向けと捉えてほしい。

 

目次

 

交換価値

具体的な商品を提供する場合がイメージしやすい。

顧客には具体的な商品を探しており、

どのような問題を解決したいかを理解し、

何を提案すればコンバージョンしやすいかといった話である。

 

ECサイトでのレコメンドが分かりやすい。

交換価値で目指すべきKPIは、以下3カテゴリである。

  1. 予測精度の向上
  2. パーソナライゼーションの増加
  3. コンバージョンの促進

 

体験価値

カスタマージャーニーで物事を考える。

例えば、旅行体験は、

空港に到着し、

ただ目的地に移動できれば良いのではない。

搭乗手続きや、機内食、スーツケースの受取など、

旅行体験全体で、満足度を上げる必要がある。

 

体験価値で目指すべきKPIは、以下3カテゴリである。

  1. 製品/サービス設計の強化
  2. ジャーニーオーケストレーションの改善
  3. 価値の増強

 

エンゲージメント価値

企業の商品・サービスが提供する、

「ブランド価値」を意味する。

 

企業はブランドにメッセージ性を載せて、

顧客へ価値を提供する必要があり、

またCSR的な活動でブランドイメージを向上させたり、

ユーザー間のコミュニティを形成することで、

より強いブランドの絆を作る事にもチャレンジしている。

エンゲージメント価値で目指すべきKPIは、以下の3カテゴリである。

  1. ストーリー設計
  2. つながりの最適化
  3. パーパス/コミュニティの構築

 

戦略価値

ここからは、自社へのマーケティング価値提供となる。

 

社内の情報が集約されるプラットフォームを構築することで、

自社の事業成長性を分析したり、

新規事業に向けた収益性の分析など、

社内リソースをどこに投資すればよいかを見える化する。

 

戦略価値で目指すべきKPIは、以下の3カテゴリである。

  1. 資産活用
  2. プラットフォーム構築
  3. 成長機会の発見

 

オペレーション価値

組織運営におけるマーケティングの活用である。

人材リソースの活用、組織間コラボを目標とする。

 

オペレーション価値で目指すべきKPIは、以下の3カテゴリである。

  1. 実行手段/テクノロジーの強化
  2. 組織内のつながりの向上
  3. 人材管理の改善

 

ナレッジ価値

データ分析によって、例えば顧客の声などを分析し、

社内で活用できる形で提供することである。

 

社内の誰でも、二次分析のために、

データを活用できるように整えることも、

ナレッジとしての提供になる。

 

ナレッジ価値で目指すべきKPIは、以下の3カテゴリである。

  1. 高度なマーケティング分析
  2. 市場/顧客インテリジェンスの活用
  3. データ生成/管理の向上