アイデアのちから

 記憶に焼き付くアイデアは、

どうやって作り出せばよいだろうか。

 

昨今、キャッチコピーや、

広告の世界では、

よりいっそう消費者の印象に残るように、

しのぎを削っている。

 

この書籍では、

押さえるべき6原則を紹介し、

SUCCESsの法則と呼んでいる。

単純明快である(Simple

意外性がある(Unexpected

具体的である(Concrete

信頼性がある(Credentialed

感情に訴える(Emotional

物語性がある(Story)

 

単純なキャッチコピーのノウハウ本ではなく、

相手に伝えるための、

記憶から離れないようにするための、

相手を行動に移させるための、

重要な技法を教えてくれている。

 

その技法は、

様々な世界に応用することができ、

きっとあなたの力を強固にしてくれるであろう。

 

 

 

 

 

 目次

 

単純明快である

単純明快であることは、

たんに平易にすることではない。

 

核となるメッセージを明確にし、

優先度が伝わるようにすることだ。

 

例えば、新聞記者の世界では

リードと呼ばれる冒頭文、見出しが命である。

 

人間は、不確かなものがあれば、

判断すべきものも思考停止し判断できなくなってしまう。

 

相手に行動を促すため、

核となるものに優先度をつけ、

メッセージの頭に持ってくる。

 

核となるものは、

相手が何らかの判断を下すもの、

また、行動に移すためのものである。

 

 

そして、そのメッセージが、

相手にとってイメージしにくい場合は、

具体的なものに例えたりして、

説明することも有効だ。

 

意外性がある

コミュニケーションの最初の問題は、

相手の関心を掴むことであり、

その基本的な方法は、

パターンを破ることである。

 

人間は一貫したパターンには

すぐ順応し、

おなじ刺激には注意を払わなくなってしまう。

 

関心をつかむには、

相手に驚きを与えるものでなければならない。

驚きは、注意を喚起させるからである。

 

そして、その驚きは、

「後から考えると、繋がりが理解できるものである」

でなければならない。

 

単純に、奇をてらい、

インパクトだけはあるが、

何が言いたかったのかよくわからないというのが

一番恐れるべき失敗だということを心に据える。

 

 

そして次に大事なことは、

つかんだ関心をつなぎとめることである。

 

つなぎとめるには、

相手の好奇心が生まれなければならない。

 

好奇心が生まれるには、

相手の知識に隙間があることを認知させることだ。

 

謎かけ、問いかけの形で、

相手が知っている知識、知らない知識を

明らかにする。

「あなたたちは〇〇ということはご存じだ」

「しかし、何故●●なのかということは知らないでしょう?」

 

ヒントを小出しにしながら、

相手の知識の隙間に焦点を当てることが重要だ。

 

 

具体的である

新しい概念や、抽象的なものを理解させるには、

具体的な土台があるとわかりやすい。

 

具体的な例や話を用いながら、

相手の理解を助けることが重要である。

 

具体性についての有用性は、

議論の余地がないかもしれないが、

ここで、気を付けてほしいことは、

我々は気が付くと、抽象的な話をしてしまい、

具体的なもの、身近なもので

例えるという行為をつい忘れてしまうということだ。

 

信頼性がある

 

あなたのアイデアやメッセージが、

相手の心に届くには、

信頼性がなければならない。

 

ただし、「信頼性」とは、

科学的な論拠や、

統計的な数字による裏付けではない。

 

それよりも、

信頼できる友人や、

著名人による体験談や、

クチコミのほうがよっぽど信頼される。

 

そして、その信頼性は、

「自身で検証可能」であることが望ましい。

 

相手からすると、

あなたのアイデア、メッセージが

本当に信頼してよいかどうかを

自分のその目で確かめることが出来るか

ということだ。

 

自分ごと化して、

その目で確かめるからこそ、

信頼性が増すということになるのだ。

 

 

感情に訴える

あなたのアイデアやメッセージに、

心を寄せてもらいたいのであれば、

感情に訴えることが重要だ。

 

しかし、それは、

相手がまったく感情を持っていない段階から、

感情を生み出させることではない。

 

相手が大事だと思っている価値観に、

あなたのアイデアやメッセージを

関連付けて訴えかけるのである。

 

では、相手が大事だと思っていることは何だろうか。

人それぞれ価値観は違うのは明らかだ。

 

 

相手が大事だと思うものはそれぞれだが、

その原点は、「自分自身」である。

自分自身の利益を大事にするということだ。

 

なおここで言う「利益」とは、

経済的な利益だけを指すのではない。

精神的に満たされることも含むので

誤解しないでほしい。

 

マズローの欲求5段階説」をもとに、

相手の「利益」とは何かを組み立て、

あなたのアイデアやメッセージの

構成を考えるのが良い。

 

そのアイデア

メッセージを受け取った時に

「これはまさに、

私の価値観を満たしてくれるものだ」と、

相手が自分ごととして、

受け止めてくれることが重要なのだ。

 

物語性がある

あなたのアイデアや、

メッセージを発信するとき、

どれだけ相手が

「詳細にイメージしてくれるか」

それはストーリー性があるかに依存する。

 

とある体験談、とある物語を、

相手は頭の中でシミュレーションし、

頭の中でその状況を再現する。

 

それにより、

相手は次のどのような行動を

とればよいかがわかる。

 

物語はいままで習った、

すべてのポイントを盛り込む必要がある。

 

単純明快なメッセージ性を持ち、

相手の関心を引くような、

意外性のあるストーリーであること。

その話は具体的で、相手にとって身近な話の内容であること。

 

身近な話で、体験談のようなものであるからこそ、

その話を信じていいと思える信頼性があり、

自分事として感情に訴えかける。

 

すべてがひとつの

ストーリーとしてまとまっていれば、

あなたのアイデアやメッセージを、

行動に移さない相手はいないのである。