史上最強のCEO

「7つの習慣」を日本に広め、

いまなお、経営コンサルタントとして

活躍するジェームス・スキナー氏が、

強い信念をもって書き上げた一冊。

 

実はこの本が有名になった一つの理由として、

経営者、起業家を対象に、

ポスティングで無料配布したことがある。

 

東京都の港区、千代田区中央区等の都心エリア、

また大阪や神戸など、数万部を配布したといわれており、

マーケティング戦略の一環であることは念頭に置きながら、

彼の熱い信念がなすものだということも理解し、

読み進めていきたい。

 

 

 

 

 

目次

 

 

我々を取り巻く経営環境

まずはじめに、

現代はいままでで最も変化の激しい時代だ。

 

例えば、恐竜が栄えた時代、

変化は長い間起きることはなかった。

しかし、氷河期という環境変化が訪れたとき、

環境に順応できなかったものは、

淘汰されていった。

 

現在のビジネスに当てはめて考えよう。

 

環境変化はめまぐるしく起きており、

いままで通用した成功体験にしがみつき、

新しい環境に順応しようとしなかったら

たちまちに企業は傾いてしまう。

 

逆に、状況を正しくとらえ、

環境に順応しようとする限り、

われわれはいつでも成功することが出来るのだ。

 

技術の発展により、

いまや全世界78億人を相手に、

88兆ドルの市場に対し、

ビジネスを展開することが出来る。

 

情報も簡単に手に入り、

必要な資源を簡単に調達できるいま、

ビジネスで成功できない理由がないほど、

我々は恵まれている環境にいるのである。

 

会社が抱える唯一の問題

あなたの会社が抱える問題はたった一つだけ

それは、経営者である、

「あなた」が問題だということだけだ。

 

経営者であるあなたが抱える欠点は、

次の7パターンである

  1. 目の前の無数の機会を活用しようとしない怠け者である
  2. 失敗を恐れ、思い切った決定が出来ない臆病者である
  3. 経営のやり方を知らず、勉強しようとしない馬鹿である
  4. 自分が成功できるというイメージがなく自己価値感がゼロである
  5. 本当に世界をよりよくしようと思えていない悪いやつである
  6. あなたを取り巻くひとたちの、意識の基準が低い
  7. 自分にできることが有限と感じ、自己制限を作っている

 

他者に問題があると理由を探すのではなく、

自分にこそ原因があると本当に気づいたとき、

はじめてあなたの会社は変わることが出来るのだ。

 

では、あなたが変わり、

企業が変わるには何が必要なのか。

企業を変える原則は4つある。

 

企業を変える原則1「リーダーシップ」

リーダーシップとは、信頼を作るということ

信頼とは社会の資本でありすべての基本である。

 

顧客、従業員、銀行、コミュニティ等々、

信頼を勝ち取ることで企業の成功は間違いないレベルとなる。

 

そのためには、

あなたはリーダーシップを発揮し、

従業員たちのやる気を引き出す必要がある。

 

あなたのリーダーシップが発揮できているかは、

5つの質問を自問自答することで明らかになる。

 

「まだ現場で判断されていない意思決定はあるか」

「現場が必要とする道具や資源を与えられているか」

「従業員の成功とあなたの成功が結びついているか」

「従業員に対して、大きな理解と感謝を与えられているか」

「従業員が会社の活動の意味と意義を理解できているか」

 

 

また、あなたは、従業員に対し、

一定額の予算の裁量をあたえ、

権限、権力を与えることが大切だ。

 

また、あなたは現場に対し、

自分の身体で、姿勢で、

模範を見せることで、

口だけではないリーダーシップを

見せることも重要である。

 

企業を変える原則2「イノベーション

顧客に喜んでもらい、

あなたの商品、サービスに、

より高い価値を見出してもらうためには、

イノベーションは不可欠だ。

 

イノベーションは何で構成されているか。

ジェームズ氏は、

Duh!(そんなの当り前だ)と、

Wow!(凄い)の2つだという。

 

Duhは次に注目すればよい

  • 商品の特性、基準
  • 仕様
  • 標準化、一貫性
  • プロフェッショナルの対応
  • 情報提供
  • 効率、能率
  • オンタイムな納品
  • 妥当な価格
  • サポート

 

Wowは次に注目すればよい

  • 新しい機能性
  • 簡素化
  • 詳細、細かい神経
  • カスタマイズ
  • スピード
  • 払ってくれる犠牲
  • 表現方法
  • 柔軟性
  • そして愛

 

DuhとWowで、

顧客の感動を生み出そうとすることが、

イノベーションのカギであるが、

決して、「商品、サービス」に限った話で考えてはならない。

 

商品、サービスを取り巻く顧客体験に、

イノベーションの機会は落ちている

 

 

企業を変える原則3「利益性」

ビジネスにおいて、

利益とは最大の「善」である。

 

というのは、

ビジネスは社会への貢献を目的としており、

売上は、その貢献度合いを

示しているからに他ならない。

 

利益は、どれだけ少ない経費で、

社会への貢献(売上)を実現しているかを

測る指標である。

 

利益を上げるには、

売上以外にも、経費を下げる必要がある。

 

アウトソーシングが主流になっている時代だからこそ

固定費を変動費に変え、

売上、利益を伸ばしていくことが重要だ。

 

企業を変える原則4「目的」

ビジネスの目的は、

世界を変えることにある。

 

企業のミッションステートメントを定め、

従業員や顧客に強くメッセージを伝える必要がある。

 

ミッションステートメントには

3つの要素が必要だ

 

まず、「私たちは何者であるか」

次に「私たちは顧客をどのように見なしているか」

最後に「私たちと顧客はなぜ関係性を築いているか」である。

 

例えば、ディズニーランドであれば、

私たちは、ただのアルバイトではなく、

ステージを飾るキャストの一人である。

お客様はゲストであり、招待客である。

 

そして、なぜ私たちと顧客が関係を築いているのか。

それは、エンターテイメントであるからに他ならない。

 

ミッションステートメントを、

従業員に、顧客に徹底し、

相手に新しい世界観を提供することで、

熱烈なファンの関係を作ることが出来るのだ。

 

最後に

経営者であるあなたには、

「善」であること、

「偉大」であることが求められる 。

 

それは、他者すべての幸せを望み貢献することであり、

生きるものすべての幸せを望み貢献することである。

 

経営はすべての利害関係者のニーズをみつめるものだ。

 

それを実現するためには、

心の底から、「愛」を抱き、

「愛」をもって接することだ。

 

すべての生物が幸せに暮らす世界を想像し、

それを経営の土台にすることである。