戦略・マーケティングの名著を読む

企業の中で、

企画部門やマーケティング部門に

携わっている方へお勧めします。

 

いったい何から勉強すればよいか。

この部門についていけるのかどうか不安になっていませんか。

 

ここでは、長い間様々な人に親しまれた名著を紹介し、

皆さんの悩みが解消していきたいと思います。

 

今の自分に足らない情報があると感じ、

それぞれの書籍を手に取ってもらえれば光栄に感じます。

 

 

 

 

 

 目次

 

 競争優位の戦略

 

 

 

著者のマイケル・ポーターの概念で、

最も有名な概念の一つが、

バリューチェーンである。

 

企業が価値を生む活動を、

主活動

 

支援活動

  • 全般管理
  • 人事管理
  • 技術管理
  • 調達

として分解した。

図にすると次のようになる。

 

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バリューチェーン分析は、

さまざまなタイミングで使われる。

 

例えば、企業の活動の中で、

コストとしてボトムネックはどこか分析する。

他者との優位性を明らかにするため、

バリューチェーンにそって分析する。

 

また、書籍のなかで、ポーターは

ポジショニング戦略についても触れている。

 

業界リーダーに対する戦い方は、

正面衝突を避け、以下の3つが必要だと説いている。

  1. 低コストか差別化で優位性を作る
  2. それ以外の点で、リーダーの強みを生かせないようにする
  3. リーダーによる報復が出来ないようにする

 

成功はゴミ箱の中に

 

 

マクドナルドを成長させた、

レイ・クロックの自叙伝がこの書籍です。

 

当時、ロサンゼルス郊外で

マクドナルド兄弟はハンバーガー店を経営していた。

 

レイ・クロックは、

彼らから、フランチャイズ権を交渉し、

マクドナルドを現在の姿にまで成長させた。

 

この書籍では、全編を通して、

レイ・クロックが、

「俺の話、俺のビジネスって面白いだろう!?」

という口調で続けられている。

 

ここで我々が学ぶべきことは、

小手先のテクニックや、

フレームワークでもない。

 

経営者としての姿勢、思想といったものは、

どうあるべきかを肌で感じるのだ。

 

レイ・クロックは、

マクドナルド兄弟に出会ったのが52歳の時であった。

 

彼は、当時ミキサーの営業マンであったが、

おそらく、日ごろの営業をしながら、

面白いビジネスはないかと常に考えながら、

営業活動をしていたのであろう。

 

彼はつねに大きなスケールの絵を描き、

ときには従業員がついていけないほどで、

現場との衝突は避けられなかった。

 

現場の担当者が反対しようとも、

自分が正しいと思ったことを貫く姿勢こそ、

経営者や、会社を動かす人間に必要なものだ。

 

一見、横柄であることを推奨するようだが、

顧客に対して無理を通すことは決してなかった。

 

クロックは、自身の仕事を、

「自分の仕事は、顧客の売上を増やすことで、

顧客の利益を奪うことではない」

という熱い信念のもと、ビジネスを進めていった。

 

クロックは、書籍の最後で

次のように綴っているので、

私からもぜひ紹介させていただきたい。

 

自分の仕事にこのような姿勢で迎えるのなら、

人生に打ちのめされることはない。

これは取締役会長から、皿洗い長にいたるまで、

すべてのビジネスマンに言えることだ。

「働くこと、働かされること」を楽しめなければならない。

幸福とは約束できるものではない。

それはどれだけ頑張れたか、その努力によって得られる、

その人次第のものなのだ。

 

 

コークの味は国ごとに違うべきか

 

 

 

 

この書籍は、

史上最年少でハーバードビジネススクールの教授となった

パンカジ・ゲマワットという経営学者のものだ。

 

書籍では、グローバル戦略の考え方について

ケーススタディフレームワークを説いている。

 

日本の企業においては、

海外進出は無縁のように感じてしまうかもしれない。

 

しかし、世界は技術の発展のおかげで、

距離的ハードルがなくなっている。

 

何故、初めから

グローバルという概念を除外して

自分たちのビジネスを考えてしまうのか。

 

少し脱線するが、現代が取り巻く市場環境や、

グローバルに対する姿勢については、

他の書籍のレビューでも触れているので、

是非参考にしていただきたい。

biz-book-review.hatenablog.com

 

 

コカ・コーラは、

グローバル戦略の軸が定まらず、

苦戦した企業の一つだとゲマワットは言う。

 

企業に必要なのは、グローバル戦略ではない。

「クロスボーダー戦略」だ。

 

それには、3つのステップと、

それぞれにフレームワークが用意されている。

 

 

まず、自国と対象の国ごとの差の大きさをはかり、

国の魅力度を把握することだ。

 

CAGEというフレームワークで、

他国との差の大きさをはかり、

その国が、魅力的かどうかを判別する。

 

  • 文化的な要素(Cultural)
  • 制度的な要素(Administrative)
  • 地理的な要素(Geographical)
  • 経済的な要素(Economical)

 

次に、その国に進出したときの、

「プラスアルファの経済価値」が発生するかを検討する。

 

単純に業績が増えるという価値だけでなく、

その国に進出したからこそ得られる知見や、

コネクションが作れるかなどである。

 

ADDINGというフレームワーク

プラスアルファの価値があるかを検討する

 

  • 販売数量の向上(Adding Volume)
  • コストの削減(Decresing Cost)
  • 差別化(Differentiating)
  • 業界の魅力度の向上(Improving Industory Attractiveness)
  • リスクの平準化(Normalizing Risk)
  • 知識の創造と応用(Generating Knowledge)

 

 

最後に、国ごとの差異にうまく適用するために、

進出する優先度や、適用の手段を考える。

 

そのためには、

AAA戦略によって、

戦略を考えるのが良い。

 

  • 適応戦略(Adaptation)
    現地の文化を「心」で理解し、差異に合わせていくこと
  • 集約戦略(Aggregation)
    国ごとの差異に共通点を見つけ、機能や組織などを集約する
  • 裁定戦略(Arbitrage)
    裁定とは、「利ザヤをとる」ということだ。
    言い換えれば、その国に進出することで、別の国に進出するときの、
    メリットをどう作るかということでもある。

    具体的には、中国やアジアに進出することで、
    人件費や材料費の利ザヤを取ることが出来るし、
    西洋に進出することで、ある一定のブランドイメージを
    構築することが出来る。
    それらをメリットとして、どう使い倒すかということだ。

 

これらのフレームワークを活用することで

違う国へうまく進出するためには、

自分の会社でどのような対応が必要なのかを洗い出し、

実践していくのが良い。

 

 

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