「マネジメント」からドラッカーの思想を体系的に理解する

言わずと知れたドラッカーのマネジメント。

重要な要素がたくさん詰まっており、

中身が濃すぎるせいもあってか、

挫折した人も多いのではないでしょうか。

 

 

今回は、マネジメントで語られる、

根本的な内容を紹介することで、

ドラッカーの思想を理解するための

手助けになればよいなと思います。

 

もし更なる興味が湧いた方は、

是非、この書籍を実際に手に取っていただきたいです。

 

 

 

 

 

 

目次

 

はじめに

マネジメントとは何であるか。

マネジメントには3つの役割がある。

 

まず、組織に使命を与えること。

その組織はどんな役割をもって、何を果たすのか。

目的を与えるといってもよい。

 

次に、マネジメントとは、

組織に所属する人間を活かすことである。

勘違いしないでほしいのは、

人間を管理することがマネジメントなのではない。

 

現代のビジネス環境では、

人間を資源のように管理することが、

マネジメントのように語られることがあるが、

決してそうではないということだ。

 

そして、最後に、

マネジメントとは、

社会貢献するためのものでもある。

 

自分が属している社会に対して、

自分ができる貢献をするということであり、

自分の力量を超えることが出来ないことを

念頭に置かなければならない。

 

組織に使命を与えること

企業は何のために存在するのか。

ドラッカーは、企業の使命は、

「顧客をつくること」だと言っている。

 

企業の存在価値を決めるのは顧客であり、

企業は、マーケティングイノベーションによって、

顧客を作り出すことが使命なのである。

 

マーケティングとは、

すでに需要のある顧客にアクションし、

自分たちの顧客になってもらうことに対し、

イノベーションとは、

まだ明確な需要として発現していない価値を生み出し、

顧客の需要を生み出していく活動である。

 

マーケティングも重要であるが、

イノベーションがなければ、

企業の持続的な発展は成り立たない。

 

おなじビジネスを続けていった結果、

時代とともに市場は縮小していってしまう。

 

使命を果たすため、

企業は自分たちの事業は

何であるかを定めなければならない。

つまり、自分たちの顧客は誰であるかを決める。

 

事業の結果、生み出された利益が、

企業の成果を図るための判断基準となる。

 

企業は自分たちの事業の目標を立て、

利益を生み出していくために、

それぞれで目標を立てていかなければならない。

 

それぞれの目標を具体的にし、

期限やスケジュールをつくり、

具体的な仕事として割り当てることが戦略計画である。

 

目標は、実際に実行におこせる形にしなければ、

意味がないのは言うまでもない。

 

組織に所属する人間を活かすこと

次に、マネジメントは、

人間を活かすという役割を果たす。

 

具体的には、

組織で働く人間に、

働き甲斐を持たせるということでもある。

 

働き甲斐はどうやって生まれるか。

仕事に関する責任を持たせることである。

 

そのためには、

  • 生産的な仕事を与えること、
  • 彼らの働きに対してフィードバックを与えること、
  • 彼らに継続的な学習機会、成長する機会を与えること

この3つが重要だとドラッカーは言う。

 

社会的責任を果たすこと

現代の社会では、顧客は

成果を収めている企業に対し、

なんらかの社会的責任を果たすべきだと感じている。

 

故意であろうとなかろうと、

企業が社会に与える影響に対し、

企業は責任を果たさなければならない。

 

もし蔑ろにしていると、

企業による社会への影響は、

「社会の秩序に対する攻撃」とみなされてしまう。

 

その状況を避けるためにも、

企業はマネジメントにより、

自社が社会に与える影響に対する責任を果たしていく。

 

重要な点は2点である。

まずそもそも、企業が顧客をつくるという、

本来の目的を果たすことを阻害しない程度を見極める。

本来の目的を達成しないことが一番の無責任である。

 

次に、社会的責任を求められたとき、

その問題に対し、自社が解決するための

権限を持っているか否かを見極めることである。

 

企業に権限がないことに対し、

あえて解決しようと取り組むことは、

一種の権限欲の表れとしてうけとめられてしまう。

 

最後に

今まで、マネジメントは

何のためにあるのかを紹介してきた。

 

ここまでは、ドラッカーのマネジメントの最初の一歩に過ぎない。

本書を読み進めると、

マネージャーが果たすべき役割や、

具体的なマネジメントの技法などが解説されている。

 

マネジメントの技法として、

何が解説されているのか。

さわりだけ紹介して、終わりとしたい。

マネジメントの技法としては、

4つの技法がある。

  • 意思決定
  • コミュニケーション
  • 管理
  • 経営科学

 

よりドラッカーの理解を深めたい方は、

是非本書を読み進めていただきたい。