マネジャーの最も大切な仕事 95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力

チームの成果を上げるために

マネージャーは何に気を使わなければならないか。

 

部下、チームメンバーを「管理」することが、

マネジャーの仕事ではない。

 

この書籍では、

数多くのアンケート調査、事例から、

仕事のパフォーマンスに、

ポジティブ、ネガティブな影響を与える要素、

そのメカニズムを明らかにしている。

 

まず、大事な考え方として、

インナーワークライフという言葉を覚えていてほしい。

 

インナーワークライフとは、

「仕事に対する心の健康状態」と理解するのがよい。

 

では、要約していこう。

 

 

 

 

 

 

目次

 

 

インナーワークライフ

インナーワークライフとは、

仕事や組織に対する認識であり、

感情であり、モチベーションである。

 

分かりやすく例えるなら、

冒頭で触れた通り、

「仕事に対する心の健康状態」だとも言える。

 

3つの要素で構成され、

日々の職場での出来事によって、

プラスやマイナスに作用し、

仕事へのパフォーマンスへと影響する。

 

進捗の法則

仕事が実際に進捗していくことで、

うれしい、楽しいといったポジティブな感情が引き出される。

 

進捗は達成感や自尊心など、

また自分の仕事や所属する組織へのポジティブな感情に

繋がることが分かった。

 

そしてその中で、

マネジャーは、部下の仕事について認識し、

気を配っていることを示す必要がある。

 

その反面、

進捗を妨げる「障害」は、

インナーワークライフを押し下げるのに

十分な影響力を持っている。

障害は取り除かなければならない。

 

また、進捗がインナーワークライフに良い影響を与えるには、

仕事はやりがいのある仕事でなければならない。

 

やりがいがあるとは、担当する本人が、

「価値のあることだ」と認識している仕事である。

 

そして、やりがいが失われるには、

以下の4つの行動がある。

マネージャーは以下の4つの行動をとらないよう

心掛けねばならない。

  • 自分の仕事やアイデアが相手にされないこと
  • 自分の仕事から当事者意識が失われること
  • 自分の仕事は日の目を見ないのかと疑念が生まれること
  • 頼まれた仕事に対して、自分はもっと能力があるのにと感じてしまうこと

 

触媒ファクター

触媒ファクターとは、

仕事をサポートする出来事やイベントである。

 

例えば、チームで明確な目標を共有することは、

仕事をサポートする上での重要な触媒ファクターである。

 

逆にネガティブに作用する出来事やイベントは、

阻害ファクターと呼ばれる。

 

触媒ファクターには、

インナーワークライフを活性化させる

おおきく7つがある。

 

  1. 明確な目標を設定する
  2. メンバーに自主性をあたえる
  3. 仕事を進めるためのリソースを提供する
  4. 十分で適切な時間をあたえる
  5. 仕事をサポートする
  6. 問題と成功から学び、前に進むことを重要視する
  7. 自由活発なアイデア交換を行う

 

そして、触媒ファクターや阻害ファクターは、

組織の風土あるいは文化から生まれてくるものだ。

 

組織の風土は3つの要素から構成され、

それらを整えることが、

触媒ファクターを生み出し、

インナーワークライフを向上させる土台となる。

 

  • 社員と彼らのアイデアの尊重
  • 協調
  • コミュニケーション

 

マネジャーは具体的には以下の行動をとることで

触媒ファクターをうまく利用する。

 

  • チームの仕事に関連する可能性のある情報を定期的に集める
  • プロジェクトに対する重要な決断をする際はチームメンバーを参加させる
  • プロジェクトに対する情報やサポートになる外部の人々との関係構築
  • プロジェクトを売り込み、脅威にさらされたときは戦う

 

栄養ファクター

栄養ファクターとは、

仕事における、よい人間関係のことだ。

 

部下に対する評価やねぎらいは勿論、

お互いを真に理解するための機会提供や、

単純にみんなで楽しむ時間を持つことも栄養ファクターである。

 

 

栄養ファクターには、

大きく4つに分類することが出来る。

 

  • 尊重、礼儀正しさ
  • 熱意を伝え、信頼を伝える励まし
  • 感情面のサポート
  • 友好関係を築くきっかけ作り

 

なお、栄養ファクターは、

マネジャーが部下に与えるものではなく、

部下同士が互いに栄養を与えあうということも重要だ。

 

そして、栄養ファクターに対をなすものが、

毒素ファクターである。

毒素ファクターは有害な職場環境を作り出してしまう。

 

毒素ファクターは、

栄養ファクターの真逆の4つの要素からなる。

  • 尊重、礼儀正しさの欠如
  • 励ましの欠如
  • 感情無視
  • 敵対関係

 

チェックリスト

毎日の仕事終わりに、

一日の仕事を振り返り、

チームやメンバーのインナーワークライフに、

問題がないか、支障をきたすことが起きていないかを

チェックリストを使って振り返ることが有効である。

 

勘違いしてはいけないことは、

仕事のタスク表のようなチェックリストではなく、

インナーワークライフの状態を確認するための

チェックリストである。

 

いうなれば、健康診断表みたいなものである。

 

5つの要素を確認し、

チームのインナーワークライフが、

健康であるかを判断し、次回のアクションを決める。

  • 進捗・障害に関する内容はあったかをチェックする。
  • 触媒ファクター、阻害ファクターは7つのポイントに沿ってチェックする。
  • 栄養ファクター、毒素ファクターは4つのポイントに沿ってチェックする。
  • チームのインナーワークライフ(認識、感情、モチベーション)を総評する。
  • 次の行動プランを立てる