著者のコトラー等は、
現在のマーケティングの集大成、
現時点でのゴールとして
H2H(ヒューマントゥヒューマン)マーケティングを挙げている。
人間中心的に、
マーケティングを考えるとはどういうことなのか、
具体的にどのようなアプローチをしていくのか、
コトラーの考え方について、今回紹介したい。
目次
はじめに
マーケティングは、
いまや人間志向に、
つまりH2Hマーケティングの時代になっている。
H2Hマーケティングでは、2つが重要なポイントとなる。
顧客と価値を共創すること
自社の提供価値を適切に伝えること
人と、人が抱える問題を解決することを中心に、
顧客からの信用、誠実さ、顧客との共感、
サステナビリティ等の問題に取り組むことが目的である。
H2Hマーケティングは、
デザイン思考、
サービスドミナントロジック、
デジタライゼーションの3要素と、
H2Hマインドセット、
H2Hマネジメント、
H2Hプロセスの3層の組み合わせで成り立っている
デザイン思考
デザイン思考は、人間中心的である。
デザイン思考では、
顧客のニーズやイノベーションに焦点を当てる。
人間が抱える問題を深く洞察し、
それを満たす解決策について、
有用性があるか、技術的に実現できるか、
経済的に実現できるかという軸で、
イノベーションを生み出していく。
カンタンにうまくいくものではないため、
早期に失敗を繰り返していくことが必要。
サービスドミナントロジック
顧客はモノやサービスを単体で購入しているのではない。
購買を通して、企業と価値を共創する。
企業と顧客との取引は、
最終的には人と人との関係によって形成される。
顧客と企業は、取引を通じて、
お互いに価値を作り上げるエコシステムが形成され、
ともにブランドを作り上げていくこととなる。
デジタライゼーション
デジタライゼーションは、
顧客のターゲットを絞ることや、
情報のネットワーク化の基礎となる。
企業が提供する価値は、
モノからサービスに移り、
また、デジタライゼーションで、
個人個人で異なるニーズに対し、
適切に価値提供することが出来るようになる。
インターネットの進歩、
スマートフォンの普及に伴い、
企業は、顧客と常に接点を持つことが可能となる。
逆に顧客からのフィードバックも受けやすくなり、
企業と顧客がブランドを共に作り上げていく土台となる。
H2Hマインドセット、マネジメント、プロセス
H2Hマインドセットは、
個性であり企業文化である。
マインドセットを備えるとは、
関係者のあらゆる考えや行動を考慮し、
価値は一方的に作られるのではなく、
顧客により作られていくことを意識すること。
H2Hマネジメントは、
STP戦略のもと、
顧客とともにブランドを作り上げていくこと
そのためには、カスタマーエクスペリエンスや、
顧客からの信頼や評判をマネジメントする。
顧客からの信頼、評判をポジティブなものにしていくためには、
ブランドの魅力を高めるか、
顧客の好奇心をくすぐるか、
オフライン、オンラインでの接点を強化するk
顧客と関わって親近感を向上させるかの方法がある。
H2Hプロセスは、
人間中心のマーケティングを行動に移していく。
具体的には5つのステップで行う。
H2H問題を発見する
同じH2H問題を抱えている人々を調査し、深い洞察を集める
H2H問題を解決する、価値提供の方法を開発する
商品・サービス以外のコンテンツをつくり、情報、アドバイス、娯楽性を提供する
顧客と直接接点をとるネットワークを構築・管理する