この要約レビューは、
会議のファシリテーション役や、
みんなの意見をまとめて道筋を立てるリーダーの役割で、
メンバーから思ったように意見が出てこないことに悩んでいる人向けです。
いわゆるお通夜ミーティングに頭を悩ませている人はいませんか?
「特に何もないです。」は耐えがたい
要約レビューでは、
問いかけの大事な要素をお伝えしますが、
一つ一つのテクニックは書籍でたくさん紹介されているので、
是非、書籍を手に取ってほしいと思います。
結論を先に述べると、大事なことは、
「良い問いかけを投げ、ワークショップ型の会議を運営すること」です。
良い問いかけを投げるというのは、以下のような問いかけです。
- 相手の個性を引き出し、相手のこだわりを尊重するような問いかけ
- 適度に制約をかけ、考えるきっかけをつくるような問いかけ
- 遊び心をくすぐり、答えたくなる仕掛けを施す問いかけ
- 凝り固まった発想をほぐし、意外な発見を生み出す問いかけ
ワークショップ型というのは、
役職や立場などにこだわらず、
ひとつの大きな目標のために、
全員が同じ方向を見て進む組織や会議です。
逆の考え方として、ファクトリー型というものが紹介されています。
ファクトリー型の組織では、
設計図をもとに役割を分けて、
効率よく進めていく組織の在り方のため、
意味ある目的に向かって解決策を見つける働き方には向いていません。
ファクトリー型は、
効率よく作業を進めるのは得意だけれども弊害もあります。
- 思考が自動化されてしまって、発想が固定化されてしまう。
- 部分的に分業され、関係性が固定化してしまう。
- 逸脱することが抑止され、変化への衝動が枯渇してしまう。
- 手段が没頭することで、目的が形骸化してしまう。
何か思い当たる節はないでしょうか。
では、ワークショップ型の会議を実現するには、
具体的にどんな問いかけをすればよいのか。
ポイントを押さえる必要があります。
相手の個性やこだわりを抽出するため、
質問の中に主語を入れて明確にします。
「あなたはどうあるべきと思いますか?」
「あなたのチームはどうあるべきか?」
「我々の社会はどう変わるべきか?」
主語が相手に近いほど自分事として考えられます。
「消費者は」、「子供たちは」など、
他者を主語に設定すると、
自分事からは離れてしまうので少し注意が必要です。
そして、考えやすくするため、
問いかけに制約を設けます。
数字を入れるのが分かりやすいでしょう。
「ひとつだけ選ぶとしたら、」
「3年後どうなっているでしょう」
形容詞などを入れるのも制約がかかります。
「悪夢のような商品は」
「心地よいサービスは」
うまく意見が出てこなかったら、
制約の仕方を変えてみましょう。
書籍の中ではほかにも、
遊び心をくすぐったり、凝り固まった発想をほぐす
テクニックが紹介されています。
ただし、まず最初は、自分事化しやすいよう主語を入れることと、
絞って考えられるように制約を入れることを心掛けていきましょう。