またしても、ロジカルシンキング系の書籍です。
今回は、企画書をプレゼンすることが
ケーススタディで紹介されているので、
読んでいて面白いし、「あるある」な内容が書いてある。
社内・社外にかかわらず、
企画書・提案書を書く立場、
もしくはこれから書く立場になる人は読んでおいて損はないだろう。
また、後編に位置づけられる書籍も参考にしていただきたい。
biz-book-review.hatenablog.com
当書では、ケーススタディをもとに、4つの力が必要だと紹介される。
順に紹介すると、以下である。
①論理思考力
②仮説検証力
③会議設計力
④資料作成力
①論理思考力
「縦の論理」と「横の論理」と説明される。
「縦の論理」は、簡単に言うと話が繋がっているかどうかである。
三段論法のように、AならばB、BならばC。結果、AならばCといった感じだ。
途中がすっぽ抜けていないか。
また、大事なことであるが、
「話し手と聞き手の頭の中の前提が異なっていないか」に気を付ける。
例えば、
家電製品をどこで買うかと聞いたとき、
年配者にとっては、電気屋で対面販売が前提かもしれないが、
若年層にとっては、ECサイトが当たり前、
更にはメルカリのようなCtoCで購入することが前提となっているかもしれない。
聞き手の立場になった時に、
話の一貫性があるかどうかが重要。
「横の論理」については、網羅性である。
一般的なビジネス用語でいえばMECE(もれなくダブりなく)である。
縦×横の論理(ピラミッドストラクチャー)を
うまくバランスよく組み立てているかが重要。
②仮説検証力
仮説検証力は5つの要素から成り立っている。
「目的」、「論点」、「仮説」、「検証」、「示唆」である。
「目的」とは、言い換えれば「イシュー」である。
「解決しなければならない重要な課題・テーマ」のことである。
目的をはき違えると、最終的に何を示唆しても的外れとなってしまう。
「論点」とは、目的を検討する上で抑えるべきポイントである。
論点を外さないためには、先述のMECEであるかに注意する前提だが、
以下4点に気を付ける。
「意思判断」を求めるスタンスであるか
相手の元々の要求を理解しているか
意思判断するための項目が洗い出せているか
その論点は相手にとって当たり前のことではないか
「仮説」はありとあらゆる選択肢から、
現実的にあり得る解決策を導き出すためのものである。
何も仮説がなければ、相手に膨大な検討負荷を与え、
とるべき解決策に、到底行きつかない。
仮説を設定するポイントは、
「検証できないような仮説は設定しない」ことである。
つまりは、漠然とした仮説をたてても意味が無いということだ。
例えばだが、
「当社ブランド力低下により、他社との競争に負けるようになった」と、
仮説を立てたとしても、
その仮説が正しいかどうかを検証するには、何を調査・アンケートすればよいか
全く見えてこない。(が、一見かっこよく聞こえるし、それっぽく見えてしまう。)
「検証」、「示唆」は、
仮説を立てたものを調査、裏付けし、
現時点での結論を導き出すことである。
③会議設計力
会議の着地点と、着地方法を定めることが重要。
企業によって文化が違うので、
自分の環境に合わせた進め方をすべきである。
ビジネスの現場で、よくありがちなのが、
「この会議は、何がゴールなのか。次の会議はどう向かうのか」が、
全く分からない会議が多く開催されている。
以下の視点の組み合わせで、会議設計することである。
・仮説検証の視点(目的、論点、仮説、検証、示唆)
・コミュニケーションの視点(顔みせ、ヒアリング、意見伝達、議論、意思決定)
・問題解決の視点(現状、あるべき姿、解決策)
主に、その会議が
キックオフミーティング、
ワークショップ
中間報告、最終報告
のどのポジションに位置するのかをイメージして、
会議設計するべきである。
また、会議設計として、
インプットとアウトプットを必ず意識すること
インプット:新しい感じが出ているか。進んでいる感じが出ているか
アウトプット:先を急ぎすぎると、決定権者が取り残されてしまうので急がない。
④資料作成力
おもに、メッセージ、チャート、スライド、パッケージ、マテリアルといった
横文字が頻繁に使われている。
この章については、あまり熟読することなく、
他の書籍を参考にしたほうが、腑に落ちやすいだろう。
資料の骨組みを先に作る、PREP法を活用する等で、
資料を作ることが出来ればあとは慣れるだけ。
まとめ・所感
まずは①論理的思考力と②仮説検証力を
徹底的に意識し、磨くこと。
③④は経験を重ねればついてくる能力でもある。