前回のレビューに引き続き、
今回のテーマである「変わる営業」にフォーカスしたい。
前回のマーケティングに関する記事については、
こちらのリンクから。
biz-book-review.hatenablog.com
目次
リクルート北村社長インタビュー
北村氏はインタビューの中で、
営業の価値を、「顧客の目的達成」に見出している。
顧客の目的を理解しなければ、営業の結果はついてこない。
顧客の目的を達成するための課題解決が大前提にあり、
「買ってください営業」は本末転倒である。
顧客の目的は何かを徹底的に考え、
また、ときには新しい目的を提案し、
一緒に達成していくために
どのようなコミュニケーションが必要かを考えるということ
リクルートでは「個の尊重」を重視している。
リーダーからすべて与えられるのではなく、
個人で目標から施策推進まですべて決めていく文化だ。
リーダーとメンバーで積極的に
コミュニケーションを実施し、
メンバーの視座を高く保ちながら、
目標に向かってコミットメントしていく。
トップ営業に求められる条件
2012年から2018年の調査をもとに、
営業幹部が果たす役割は5つのタイプがある
- 「我関せず」のハンズオフ
- 無鉄砲
- 社交家
- 交渉家
- グロースチャンピオン
グロースチャンピオンは、
顧客と定期的に面談し、
ビジネスの詳細を話し、戦略的関係性を構築する。
売上高・利益への貢献度が最も高い。
また、組織内のロールモデルとしての役割も果たし、
最も優れたタイプといえる。
顧客との関係を維持するためには、
社内障壁や、ルールを撤廃することすら厭わない。
では、グロースチャンピオンに求められる条件は
7つに整理されている。
- 親和性
- 有用性
- 自発性
- 知識
- コミュニケーションスキル
- 対人スキル
- 結果志向
営業組織刷新の3ステップ
商品販売のビジネスモデルから、
サブスクを代表する、
サービス提供モデルのビジネスモデルに変革する場合、
「何を、誰に、どのように」得るのかを再検討する必要がある。
そのステップを紹介しよう。
顧客セグメンテーションの再考
販売量という指標から、利用量という指標に変わることで、
狙うべき顧客のセグメント、ターゲットが変わる。
営業組織の再編
「商談のクロージング」はひとつの通過点でしかなく、
より一層利活用してもらうための
「カスタマーサクセス」を目指していくということ。
顧客に定着しなければ、すぐやめてしまうということになる。
販売後の、定期フォローなどの顧客関係構築が重要
営業担当者の接し方を最適化する手法の導入
営業担当者を育てていくためには、3つの要素を見直す必要がある。
①報酬
売り切りモデルから、課金モデルに変わるうえで、
営業を評価するための報酬プランも変わってくるということ。
サービス利用量にリンクした報酬形態も検討が必要となる。
②トレーニング
製品デモを重視するのではなく、
顧客が見つけた効果的な成功事例の共有や、
顧客との相談、問題解決トレーニングを重視する必要がある。
③文化
いままでの商品販売モデルから、
従量課金型ビジネスモデルに変わることの、
現場の抵抗感はある。人はそもそも変化を嫌う。
企業のミッションステートメントに手を加えることなど、
企業文化から手を加えていく必要がある。